肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌感染症とは?
肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。
特に高齢者や小さな子ども・免疫力が低下している人など、後述する「リスクが高い方」で重症化しやすいとされています。特に肺炎は日本人の死因の上位であり、なかでも肺炎球菌性肺炎は、成人肺炎の 25~40%を占め、高齢者や基礎疾患を有する者で重篤化しやすい疾患です。
肺炎球菌感染症の合併症
重症化すると、呼吸困難や高熱、気管支炎、肺炎、敗血症、全身のだるさなどの症状が現れ、場合によっては命にかかわることもあります。肺炎球菌感染症の中でも肺炎、敗血症、髄膜炎などは命に危険を及ぼすことがあり、治療に成功したとしても重い障害が残ることがあります。
肺炎球菌感染症対策として
近年は抗菌薬が効きづらい薬剤耐性菌も増えているため、まずは肺炎球菌感染症を予防することが大切です。インフルエンザ感染後に肺炎球菌などによる肺炎を発症することがあるため、インフルエンザワクチンを打つことも忘れてはいけません。
うがい、手洗い、口腔内の清潔を保つこと、規則的な生活、バランスのとれた食事、適度な運動、禁煙、持病の治療など健康的な生活習慣を維持することが大切になってきます。
肺炎球菌ワクチンの効果
ワクチンにより侵襲性肺炎球菌感染症の発症を45%減少させることが日本の国立感染症研究所の研究でわかっています。
効果時間としては約5年といわれていますので、5年毎に接種することで効果が持続すると考えられています。
肺炎球菌ワクチンの副作用
接種した時の注射部分のかゆみ、疼痛、赤くはれる、軽い発熱、関節痛、筋肉痛などがみられる場合があります。 通常3日間くらいでほとんど消失しますが、ごく少数ですが重症化する場合もあります。
料金
肺炎球菌ワクチン Q&A
①高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種は何歳で受けられますか?
対象:該当する年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方
または、60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方定期接種の対象となります。
一生に一度だけ補助の対象となります。ただし5年ほどしか効果が無いため、5年後にはもう一度『任意』接種が必要となります。
5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みなどが強く出る恐れがありますので、1回目の接種から5年以上の間隔を空けてください。但し、すでに「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがある方は、対象とはなりません
②過去に肺炎になったり、肺炎球菌感染症にかかったりしたことがあるのですが、定期接種の対象者になりますか?
肺炎の原因は様々な原因でおこり、また肺炎球菌には多くの血清型がありますので、 過去に肺炎や肺炎球菌感染症にかかっていても、定期接種の対象になります。
③高齢者を対象とした肺炎球菌感染症予防接種の副反応はありますか
接種部位の症状(痛み・赤み・腫れなど)、筋肉痛、だるさ、発熱、頭痛などがあらわれる(接種者の5%前後)ことがありますが、そのほとんどが軽症で通常2~3日でなくなる一時的なものです。稀に重い副反応として、接種後15〜30分以内にアナフィラキシー様反応等があらわれることもありますので、接種後15〜30分は待機時間をいただいています。
④肺炎球菌による感染症はどんな人がかかりやすい?
免疫機能が未発達の5歳未満(とくに2歳未満)の乳幼児と65歳以上の方です。65歳以上の方は健康そうに見えていても加齢とともに、免疫をつかさどる細胞の数が減少し、免疫機能が低下しているため、感染症にかかりやすくなっています。また、糖尿病、心疾患、呼吸器疾患、腎不全などの慢性疾患をお持ちの方や、病気の治療中で免疫力が低下している方、タバコを吸っている方なども感染のリスクが高いことがわかっています。