麻しん風しんワクチン
麻しん・風しんワクチン
麻しんとは?
麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。麻しんに感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。
風しんとは?
風しんウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症で、風しんへの免疫がない集団において、1人の風しん患者から5~7人にうつす強い感染力を有します。風しんウイルスは、飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播します。症状は不顕性感染(感染症状を示さない)から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。また、風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染すると、眼や心臓、耳等に障害をもつ(先天性風しん症候群)子どもが出生することがあります。
麻しん・風しんの合併症
肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。
基本的には予後良好な疾患であるが、高熱が持続したり、血小板減少性紫斑病、急性脳炎などの合併症により、入院が必要になることがある。成人では、手指のこわばりや痛みを訴えることも多く、関節炎を伴うこともある(5〜30%)が、そのほとんどは一過性です。風疹に伴う最大の問題は、感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が感染したことにより、風疹ウイルス感染が胎児におよび、先天異常を含む様々な症状を呈する先天性風疹症候群が出現することです。
麻しん・風しんワクチンの効果
ワクチンを接種することによって、95%程度の人が麻しんウイルスと風しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。
また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。
麻しん・風しんワクチンの副作用
ワクチン接種後の反応として多くみられる症状として発熱、発疹、鼻汁、咳嗽、注射部位紅斑・腫脹などがみられます。重大な副反応として、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳炎・脳症、けいれん、血小板減少性紫斑病がごく稀に(0.1%未満)報告されていますが、ワクチンとの因果関係が明らかでない場合も含まれています。しかし、重度のアレルギー(アナフィラキシー反応の既往のある人など)のある方は、ワクチンに含まれるその他の成分によるアレルギー反応が生ずる可能性もあるので、接種時にかかりつけの医師に相談してください。
料金
9,000円/1回
※麻しん・風しん混合のワクチンの金額です。現在麻しん又は風しん単独のワクチンは取り扱っておりません。
麻しん・風しんワクチン Q&A
麻しん①麻しんの予防接種を受けるのに、単独の麻しんワクチンの代わりに、麻しん風しん混合ワクチンを接種しても健康への影響に問題ありませんか?
麻しんの予防対策としては、麻しん・風しんの混合ワクチンは単独ワクチンと同様の効果が期待され、健康への影響に問題はありません。むしろ風しんの予防にもつながる利点があります。ただし、この麻しん・風しんの混合ワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2か月程度の避妊が必要です。麻しんの単独ワクチン、風しんの単独ワクチンの接種にあたっても、妊娠している方は接種を受けることはできません。接種後2か月程度、妊娠を避けるなど同様の注意が必要です。
麻しん②過去に麻しんにかかったことがあるのですが予防接種を受けるべきでしょうか?
今まで麻しんにかかったことが確実である(検査で麻しんの感染が確認された場合)場合は、免疫を持っていると考えられることから、予防接種を受ける必要はありません。しかし、麻しんかどうか明らかでない場合はご相談ください。もし、麻しんまたは風しんの片方にかかったことがあっても、他方にはかかっていない場合、定期接種対象者は麻しん風しん混合ワクチンを定期の予防接種として受けることができます。
麻しん③ワクチン接種を受けた方が良いのはどのような人ですか?
定期接種の対象年齢の方々(1歳児、小学校入学前1年間の幼児)は、積極的勧奨の対象ですが、定期接種の時期にない方で、「麻しんにかかったことがなく、ワクチンを1回も受けたことのない方」は、医師にご相談ください。2000年4月2日以降に生まれた方は、定期接種として2回の麻しん含有ワクチンを受ける機会がありますが、それ以前に生まれた方は、定期接種として1回のワクチン接種の機会があった、もしくは定期接種の機会がなかった方となります。そのため、麻しんにかかったことがなく、2回の予防接種を受ける機会がなかった方で、特に医療関係者や児童福祉施設等の職員、学校などの職員など、麻しんにかかるリスクが高い方や麻しんにかかることで周りへの影響が大きい場合、流行国に渡航するような場合は、2回目の予防接種については医師にご相談ください。
風しん①風しんの予防接種を受けるのに、単独の風しんワクチンの代わりに、麻しん風しんの混合ワクチンを接種しても健康への影響に問題ありませんか?
風しんの予防対策としては、麻しん・風しんの混合ワクチンは単独ワクチンと同様の効果が期待され、健康への影響に問題はありません。むしろ麻しんの予防にもつながる利点があります。ただし、MRワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2か月程度の避妊が必要です。風しんの単独ワクチン、麻しんの単独ワクチンの接種にあたっても、妊娠している人は接種を受けることはできません。接種後2か月程度、妊娠を避けるなど同様の注意が必要です。
風しん②過去に風しんにかかったことがあるのですが予防接種を受けるべきでしょうか?
今まで風しんにかかったことが確実である(検査で風しんの感染が確認された場合)場合は、免疫を持っていると考えられることから、予防接種を受ける必要はありません。しかし、風しんかどうか明らかでない場合は、かかりつけの医師にご相談ください。たとえかかったことがある人がワクチン接種をしても副反応は増強しません。
もし、風しんまたは麻しんの片方にかかったことがあっても、他方にはかかっていない場合、定期接種対象者は麻しん風しん混合ワクチンを定期の予防接種として受けることができます。
風しん③ワクチン接種を受けた方が良いのはどのような人ですか?
定期接種の対象者は、1歳児、小学校入学前1年間の幼児ですが、定期接種の時期にない人で、「風しんにかかったことがなく、ワクチンを1回も受けたことのない人」は、医師にご相談ください。また、妊娠を希望する女性や、抗体を保有していない妊婦の家族のうち、今までに明らかに風しんにかかったことのない人も、抗体検査を受けて、抗体価が低い場合には接種を検討しましょう。医療従事者や学校関係者・保育福祉関係者など、風しんにかかるリスクが高い人や風しんにかかることで周りへの影響が大きい場合、流行国に渡航するような場合は、2回目の予防接種についてかかりつけの医師にご相談ください。